薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
八階へ戻ると、買ってきた物を片づけ、そのまま陸斗さんが夕食を作ることになった。

「……本当に作れるんですね」

「失礼ですね」

「だって、料理するイメージなかったので」

「一人暮らしが長いと言ったでしょう」

「鈴子さんの息子なのに」

陸斗さんの手が止まった。

「それは関係ありません」

「ものすごく強く否定しましたね」

「母と一緒にしないでください」

思わず笑った。

それからしばらくして出来上がった料理は、悔しいくらい普通に美味しかった。

今日一日だけでも、仕事を失って、未來と突然会って、恋人のフリまでした。

考えなければならないことはいくらでもある。

それなのに今は、隣の部屋に住む人が作った夕食を一緒に食べながら、どうでもいいことで言い合っている。

本当に変な一日だった。

でも、不思議と嫌ではなかった。

< 121 / 290 >

この作品をシェア

pagetop