薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
午後の仕事へ戻って、しばらく経った頃だった。

昼休みに入った事務所の扉が、不意に開く。

「お邪魔しまーす。あっ、お久しぶりでーす。みんな元気?」

明るい女性の声につられて顔を上げた私は、思わず手を止めた。

綺麗な人。

最初に浮かんだのは、それだった。

背が高く、すらりとした体型。艶のある髪を大人っぽいボブに整え、派手ではないのに立っているだけで自然と目を引く。

知的で華やかで、モデルや女優だと言われても納得してしまいそうな女性だった。

けれど。

「玲奈ちゃん、久しぶり」

「久しぶりです、鈴子さん」

鈴子さんがあまりにも自然に声を掛けた。

聖子さんも純さんも愛梨さんも驚いていない。

征さんに至っては一度顔を上げただけで、すぐ仕事へ戻ってしまった。

どうやら、知らないのは私だけらしい。

玲奈さんと呼ばれた女性は、皆さんへ軽く挨拶を返しながら事務所の奥へ入り、そのまま迷いなく陸斗さんのところへ向かった。

「陸斗、久しぶり」

「……何で来たんですか」

「何よ、その言い方」

そう言って、陸斗さんの肩を軽く叩く。

随分と気安い。

「相変わらず可愛くないわねぇ」

「用件は?」

「茂樹先生に頼まれてたものを持ってきたのよ」

手にしていた書類を示し、そのまま茂樹先生のデスクへ向かう。

どうやら仕事関係で来たらしい。

でも、事務所にいる全員とあまりにも自然に話している。

相当昔からの知り合いなんだろう。

そんなことを考えていた、その時。

「あれ?」

玲奈さんの視線がこちらへ向き、私のところでぴたりと止まった。

何だろう。

嫌な予感がする。

「もしかして――」

そのまま真っ直ぐ歩いてくる。

「この子が陸斗の彼女だっけ?」

「えっ!?」

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