薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
突然、何を言うんですか。

「違います!」

慌てて否定した、その横から。

「そうですよ」

ものすごく落ち着いた声が聞こえた。

「ちょっと待ってください!」

勢いよく振り返る。

陸斗さんは、何でもないことを言ったような顔をしていた。

「何で肯定するんですか!」

「違いました?」

「違います!」

「まだ、でしょう」

「“まだ”もいりません!」

事務所のあちこちから笑い声が漏れる。

本当に。

何で誰も助けてくれないの。

そんな私を見ながら、玲奈さんは何度か瞬きをしたあと、楽しそうに笑った。

「へえ……なるほどね」

「何がですか?」

「いやぁ、ちょっと納得した」

全然意味が分からない。

しかも玲奈さんは、そのまま私との距離を一気に縮めてきた。

「神宮寺奏ちゃん?」

「はい」

「やっぱり」

「だから、何がやっぱりなんですか?」

答える代わりに、私の顔を覗き込む。

近い。

ものすごく近い。

「あの……」

「可愛い」

「……ありがとうございます?」

突然褒められて、どう反応すればいいのか分からない。

しかも今日初めて会ったばかりなのに、玲奈さんはそんなことなど気にも留めず、ごく自然に私の隣へ座った。

「玲奈」

陸斗さんの声が飛んでくる。

「何?」

「近いです」

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