薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
「もう! 一番大事なこと言ってないじゃない」

とうとう我慢出来なくなったらしい鈴子さんが、頬を膨らませた。

「……一番大事なこと?」

私は玲奈さんを見る。

一瞬だけ目を逸らした。

その反応。

何かある。

絶対ある。

聖子さんが小さくため息をつく。

「姉さんはね、アレをどうしても言ってほしいそうよ」

「アレ?」

また。

この事務所、“アレ”が多すぎません?

「何なんですか、そのアレって」

愛梨さんが、なぜか楽しそうな顔で私の近くへ寄ってきた。

「神宮寺さん。たぶん、びっくりしますよ」

「……そんなに?」

「はい」

純さんまで笑いながら口を挟む。

「下手したらひっくり返るわよ」

「そんな大袈裟な……」

そう言いながら、だんだん怖くなってきた。

三十四歳。

知的美女。

弁護士。

陸斗さんとは幼馴染。

この事務所とも昔馴染み。

まだ何かあるの?

もう十分じゃない?

「玲奈ちゃん、ほら」

鈴子さんが期待に満ちた目で促す。

「鈴子さん、そんな楽しそうに言うことじゃないでしょう」

「だって、奏ちゃん絶対驚くもの」

完全に面白がってる。

玲奈さんは額へ手を当て、諦めたように息を吐いた。

「まあ、ここの人たちは全員知ってるからいいんだけど」

「はい」

「外では絶対に言わないでね」

「え?」

急に声の温度が変わった。

さっきまでの軽さとは違う。

私も自然と背筋を伸ばす。

「もちろんです」

「本当に極秘だから」

「……はい」

そこまで言われると余計に怖い。

玲奈さんが小さく肩を竦めた。

「私ね、結婚してるの」

「……結婚?」

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