薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
「何でそんな普通に仕事してるんですか!」

ようやく征さんが顔を上げた。

「親族だからといって、仕事を止める理由はないでしょう」

「そういう意味じゃないです!」

純さんがとうとう吹き出した。

「神宮寺さん、もう混乱しすぎ」

「しますよ!」

周囲を見る。

誰も驚いていない。

つまり、みんな知っている。

「何で誰も教えてくれなかったんですか!」

「聞かれなかったから?」

純さんが首を傾げた。

「聞くわけないでしょう! 暢さんの息子さんって誰ですか、とか!」

「確かに」

しかも答えが榊原耀さんだなんて、予想出来るはずがない。

私はまだ混乱したまま、征さんを見る。

「でも、姓が違いますよね?」

「姉と私は、両親が離婚していますから」

「あ……」

「姉は榊原姓、私は早乙女姓になった。それだけです」

「そのお姉さんが、暢さんの奥さん?」

「そうです」

また一つ増えた。

「……お名前は?」

「珠紀です」

「柴崎珠紀さん……」

「そう」

鈴子さんが嬉しそうに頷く。

「四十八歳で、ものすごく可愛い人よ」

「姉さん」

聖子さんが意味ありげに見る。

「何よ。本当じゃない」

「見た目はね」

「え?」

何、その含み。

玲奈さんがお茶のカップを置きながら笑った。

「それは会った時のお楽しみでいいんじゃない?」

「また、お楽しみ……」

もう驚く力が残ってない。

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