薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
純さんが吹き出す。

「だよね」

「でも親族じゃないですから」

「そこだけで判断してる?」

「はい」

愛梨さんは真顔だった。

もう無理。

この人たちの“普通”が分からない。

「愛梨さんと耀さんも幼馴染?」

「そうですよ。小さい頃から知ってます」

「じゃあ玲奈さんも?」

「もちろん」

「陸斗さんも?」

「知ってます」

「征さんも、暢さんも?」

「当然ですね」

一つ聞くたびに当然のような返事が返ってきて、私はとうとう椅子へ座り直した。

つまり、ほぼ全員が昔からどこかで繋がっているらしい。

親同士が知り合いだったり、幼馴染だったり、気づけば親族になっていたり。

そんな巨大な人間関係が何年もかけて出来上がっているところへ、一か月前、私は何も知らずに突然放り込まれたわけだ。

「……何か、私だけ途中参加の転校生みたいですね」

思わず漏らすと、玲奈さんが楽しそうに笑う。

「大丈夫大丈夫。ここの人たち、身内認定早いから」

「それ、安心していいんですか?」

「たぶん」

「たぶんなんですね」

「だって、もう十分馴染んでるじゃん」

あっさり言われて、少しだけ言葉に詰まった。

馴染んでる。

……そうなのかな。

一か月前まで、この人たちのことをほとんど知らなかった。

それなのに今では、一緒にご飯を食べ、仕事を教えてもらい、くだらないことで笑われ、何かあれば心配される。

時々――というより、かなり頻繁に勝手に守られている。

……最後のは少し問題があるけど。

本人の了承もなく話が進んでいて、「それ、本当に私に確認しました?」と思うことも増えてきた。

それでも、不思議と居心地は悪くない。

むしろ、いつの間にかここへ来ることが当たり前になっている。

そんなことを考えていると、鈴子さんが意味ありげに笑った。

「まあ、奏ちゃんもそのうちねぇ」

「何がですか?」

「こっち側」

「……こっち側?」

嫌な予感しかしない。

警戒するように鈴子さんを見ると、横から陸斗さんの落ち着いた声が聞こえた。

「もう、ほとんどこっち側でしょう」

「…………」

ゆっくり陸斗さんを見る。

本人は何でもないことを言ったような顔をしている。

また。

また何を、そんなにさらっと言ってるんですか。

この人は。

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