薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
そこで茂樹先生が、少し強めに咳払いをした。

「皆さん、ずいぶん盛り上がってますけど」

さっきまで賑やかだった空気が、ほんの少し落ち着く。

「今の話は、ここだけの話ですからね。特に耀くんと玲奈さんのことは、外部には一切出してはいけません」

「あ……」

言われて、改めて背筋を伸ばした。

あまりにも皆さんが当たり前に話しているから感覚がおかしくなっていたけれど、榊原耀さんと玲奈さんが結婚しているなんて、世間には知られていない。

「もちろん、外では絶対に言いません」

そう答えると、茂樹先生は穏やかに頷いた。

「ここにいる人たちは親族だったり、昔からの付き合いだったりしますから知っています。でも、本人たちが公表していない以上、それと外で話していいこととは別です」

「分かってますよ〜」

鈴子さんが軽い調子で返す。

茂樹先生の視線がすぐそちらへ向いた。

「特に鈴子」

「何よ」

「一番楽しそうに喋ってたでしょう」

「だって、奏ちゃんの顔が見たかったんだもの」

「やっぱり、それが目的だったんですね!」

思わず突っ込む。

「だって絶対驚くと思ったんだもの」

「驚きましたよ! ものすごく!」

「でしょう?」

何でそんなに嬉しそうなんですか。

茂樹先生は苦笑しながら続けた。

「まあ、鈴子が教えたかった理由は、それだけじゃないんですよ」

「……それだけじゃない?」

「神宮寺さんも、いずれ耀くんに会うでしょうから」

「……私が?」

「はい」

ほとんど間を置かずに頷かれた。

「この関係を見れば、会わない方が難しいでしょう?」

言われて改めて考える。

暢さんの息子で。

征さんの甥で。

玲奈さんの夫で。

愛梨さんの幼馴染。

陸斗さんたちとも昔からの付き合いがある。

確かに。

会わない方が難しいかもしれない。

「その時になって初めて『えっ、榊原耀!?』って大騒ぎされても困りますからね」

「それは……」

何も知らずに本人が現れたところを想像しただけで、今日以上の声を出す自信がある。

「たぶん奏ちゃん、もっとすごい声出すわよ」

鈴子さんが嬉しそうに言った。

「出しますよ! 何も知らなかったら!」

「でしょう?」

「姉さん、だから面白がらないの」

聖子さんが呆れたように言う。

「面白がってないわよ。事前説明よ」

「八割くらい面白がってるでしょう」

「ありますね」

純さんまで即答し、また笑いが広がった。

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