薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
「あ」

突然、聖子さんが声を上げた。

「何です?」

「この手の話なら、うってつけの人がいるじゃない」

「ああ……」

茂樹先生も、すぐに誰のことか分かったようだった。

ところがそのあと、何とも言えない顔で少し考え込み、苦笑した。

「ただなぁ……」

何だろう。

その、ものすごく嫌な間は。

「何ですか?」

「かなり無愛想で、とっつきにくいかもしれない」

「……無愛想?」

思わず聞き返した。

聖子さんが腕を組む。

「ツンデレとも言うのかしらねぇ」

「違うと思います」

征さんが即答した。

「あら。じゃあ何よ」

「あれは単純に愛想がないんです」

「征、なかなか辛辣ね」

「事実です」

「でも腕はいいでしょう?」

「それは否定しません」

私は三人を順番に見た。

紹介しようとしている人の実力だけは全員認めているのに、人柄については誰一人褒めない。

「……その方、大丈夫なんですか?」

さすがに心配になった。

茂樹先生が、どこか申し訳なさそうに笑う。

「腕は確かなんですよ。本当に」

「所長。“本当に”を付けると余計に怪しく聞こえます」

「いや、凄腕ではあるんだよ」

「じゃあ、何が問題なんです?」

「難儀なんだよねぇ」

「性格がねぇ」

聖子さんまで深く頷く。

ここまで言われる弁護士。

逆に、ちょっと見てみたくなってきた。

「その……どなたなんですか?」

三人が一瞬、顔を見合わせた。

そして茂樹先生が、苦笑いしながら答える。

「うちの息子なんだけどね」

「……息子さん?」

思わず瞬きをする。

なるほど。

だから遠慮がないのか。

「でもね、奏さん」

聖子さんが、今度は少し真面目な顔になった。

「あなたの話なら、たぶん一番向いてる」

「そうなんですか?」

征さんも頷く。

「人間関係が長期間にわたって複雑に絡んでいる。過去に遡って確認する必要もあるでしょうし、相手側が何かを隠している可能性もある。この手の案件は、彼が得意です」

そこまで言われれば、確かに頼もしい。

でも。

無愛想。

愛想がない。

難儀。

……どんな人?

「まあ、一度会ってみて――」

茂樹先生がそう言いかけた時だった。

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