薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
「神宮寺さん、声」

私は目を見開いたまま、何度も頷く。

知ってる。

いや。

私だけじゃない。

日本中が知っている。

超人気アイドルグループZenith’sで一躍有名になり、今では俳優としても活躍している――。

「……榊原、耀……」

「はい、どうも」

本人だった。

数日前に聞いたばかりの人。

玲奈さんの夫。

暢さんの息子。

征さんの甥。

その本人が今、私の目の前で汗だくになっている。

「驚いてるところ悪いけど、俺、昨日からほとんど寝てない! 朝からトウにあれこれ指示されるし、マジで死にそうなんだけど」

一気に言い終え、まだ肩で息をしている。

聖子さんが呆れたように冷たいお茶を差し出した。

「ほら。まず飲みなさい」

「助かります」

耀さんは半分ほど一気に飲み、大きく息を吐く。

「生き返った……」

「で、お前どうした」

暢さんが何事もなかったように話を戻した。

耀さんは眉間に皺を寄せる。

「俺、ここ来る途中で誰かに付けられてる感じがしたんだよ。だから何周か回って、撒いてから来た」

「車?」

「途中までは。最後は分かんない」

……情報量。

一つずつ。

できれば一つずつお願いします。

そんな私の願いなどお構いなしに、耀さんはスマートフォンとタブレットを取り出した。

「それと、朝から言われてたやつ。美容系から芸能関係まで一通り拾った」

画面に資料が並んでいく。

「坂梨未來。美容関係の会社に関わってる。本人は経営してるって周りには言ってるみたいだな。モデル、タレント、撮影関係にも顔が広い」

「ちょっと待ってください!」

反射的に手を上げた。

全員の視線がこちらへ向く。

「未來が会社をやってるって、どういうことですか?」

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