薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
一瞬。

部屋の音が全部消えたような気がした。

「……未來?」

「はい」

「でも……運転していたのは、別の男の人だったはずです」

「表向きはそうなっています」

玲奈さんが次の資料を表示する。

「ただ、その説明と実際に残っている記録が合わない」

紗凪さんが続けた。

「事故直前から直後までの動き、車両に関する記録、それから坂上側に残されていた資料を合わせると、未來さんが運転していた可能性が極めて高いと考えています」

「じゃあ……あの人は?」

「未來さんのお母さんと関係のあった男性です」

暢さんが答える。

「事故後、身代わりになる形で処理された可能性が高い」

耀さんが小さく言う。

「金銭的にも、かなり弱い立場だったみたいだな」

普段なら何か返したかもしれない。

でも今は、何も入ってこなかった。

未來が事故を起こした。

別の男が運転手として扱われた。

両親の会社は、事故の前から狙われていた。

その発端に坂上幹司がいた。

そして。

会社は奪われた。

「……何で」

喉が苦しい。

「何で未來が、そんなこと……」

「そこは、まだ全部分かっていません」

玲奈さんが静かに答えた。

「事実として追えているところと、理由や意図は分けて考えた方がいい」

全部が分かったわけじゃない。

まだ続きがある。

その言葉に。

もう何を聞かされても驚かない気がした。

――のに。

「あと、一つ」

耀さんが別の画面を開いた。

「……まだあるんですか」

自分でも情けない声が出た。

「紗凪さんの資料と坂上側の記録を重ねてて、別の線が繋がった」

表示された名前を見た瞬間、呼吸が止まりそうになった。

――髙橋耕史。

「……耕史?」

どうして。

ここで。

耀さんが複数の記録を並べる。

大雅さんも画面へ近づいた。

「こっちでも確認してる」

玲奈さんも資料へ目を落としたあと、暢さんを見た。

最後に、暢さんが口を開く。

「髙橋耕史は、坂上幹司の実の息子です」

「…………はい?」

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