薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
「では、お話を伺います。まずお名前と、今日こちらへ来られた理由をお願いします」

陸斗さんは淡々と言い、それから愛梨さんへ視線を向けた。

「愛梨さん。タイマーを」

「はい」

迷いなく、一時間にセットされる。

……そこは崩さないのね。

こんな状況でも無料相談は一時間。

さすが法律事務所。

耕史は特に緊張した様子もなく、ソファへ座り直した。

「髙橋耕史です。俺、未來に“ここへ行けば奏に会える”って言われて来ただけです」

「……は?」

思わず声が出た。

当然、三階から下には聞こえない。

けれど、画面の向こうでも陸斗さんがほんの一瞬だけ黙った。

「ご相談ではないのですか?」

「今のところ別に相談はないです。俺、特に困ってないし。未來が毎月小遣いくれるし、仕事もくれるし」

三階が静まり返った。

陸斗さんだけが、数秒の沈黙のあと、

「……そうですか」

と返した。

妙に冷静で、逆に怖い。

「では、その未來さんから、ここへ来るように言われた理由は?」

「奏がここの弁護士と付き合ってるらしいから、偵察して来いって」

「偵察?」

「はい」

耕史はあっさり頷いた。

「でも俺、何を偵察すればいいのか分かんなくて。だから、とりあえず来てみました」

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