薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
「…………」

三階にいた全員の目が、見事なくらい点になった。

「……え?」

今のは衝撃で出た声じゃない。

完全に呆れて出た声だった。

何なの、この人。

坂上幹司の実の息子ですよね?

未來に使われて、このタイミングで現れて。

何か核心に繋がる重要な話を持ってくるんじゃなかったの?

それが。

小遣いをもらっている。

仕事ももらっている。

偵察しろと言われた。

でも何を見ればいいのか分からない。

だから、とりあえず来た。

……あの男。

アホなの?

「あー……ハズレだ」

耀さんが椅子の背もたれへ身体を預けた。

大雅さんも呆れたように息を吐く。

「完全に駒だな」

「しかも相当使いやすいタイプ」

「ここまで何も考えてないと、逆にすごいですね」

紗凪さんまで容赦がない。

玲奈さんは腕を組みながら、ぽつりと呟いた。

「陸斗、よく真顔保ってるわね」

本当に。

画面の向こうでは、陸斗さんが静かに耕史を見ていた。

「偵察に行けと言われた。しかし、何を確認するのかも、何を聞くのかも分からない。それでも、とりあえず来た、と」

「はい」

「……随分、素直なんですね」

「そうっすか?」

「ええ。驚くほどに」

穏やかな声なのに。

ものすごく刺さっている。

耕史は全く気づいていない。

「もう少し目的を確認してから来られた方が良かったのでは?」

「未來に聞いても、“行けば分かる”って言うんで」

「なるほど」

陸斗さんの目が一瞬だけ細くなった。

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