薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
一方。

二階の澤登法律事務所では、耕史がまだ話を続けていた。

「本当に俺、何も分かんないんですよ。未來に行けって言われたけど、何を見ればいいのかも、何を聞けばいいのかも」

「そうですか」

「で、奏いるんですか?」

その瞬間、私の肩が跳ねた。

画面の中の陸斗さんは、ほんの少しも動揺しない。

「奏?」

「神宮寺奏です」

陸斗さんは一拍置いた。

「その名前の者は、ここにはいませんが」

「え?」

いや、います。

三階に。

「でも未來が、奏はここの弁護士と付き合ってるって」

「ああ」

陸斗さんが、ようやく思い出したように頷く。

「奏のことですか」

「そう。その奏」

「妻ですが」

「…………え?」

三階の空気が止まった。

私も止まった。

……妻?

恋人のフリじゃなかった?

「今は神宮寺ではないので、すぐに分かりませんでした」

「…………」

ちょっと、待って。

何を勝手に設定増やしてるの。

耀さんが「はぁー……」と、感心とも呆れともつかない声を漏らした。

大雅さんは眉間を押さえている。

玲奈さんだけが、ものすごく楽しそうだ。

「陸斗、そこまで行った?」

「……妻」

紗凪さんまで笑いを堪えている。

暢さんだけは少し考え、

「まあ、いい。そのまま」

と言った。

「良いんですか!?」

思わず暢さんを見る。

「相手が何を知っているのか確認するには使えます」

「使えますじゃないですよ! 私、いつの間に名字変わったんですか!」

誰も答えてくれない。

画面の中では、もっと酷いことになっていた。

「え、結婚してるんですか?」

「ええ」

迷い。

ゼロ。

「未來、彼氏って言ってたけど」

「情報が古いんじゃないですか?」

何、その言い方。

完全に本当っぽい。

耕史はしばらく考え込んだあと、妙に納得したように頷いた。

「そっか。じゃあ別に偵察することもないのかな」

「さあ。それは未來さんに聞かれては?」

「ですよね」

……納得するんだ。

そこ。

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