薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
「……それにしても」

私は慌ただしく動く皆さんを眺めながら、ふと疑問に思った。

「こんな大掛かりなこと、二日でどうやって準備したんですか?」

暢さんが手を止める。

「二日で全部を一から作ったわけじゃないですよ」

「え?」

坂上幹司やアークグローバルソリューションについては、今回とは別の経緯から関係機関がすでに情報を持っていた。

玲奈さんの事務所でも、企業法務案件を通じてアーク周辺を追っていた。

未來についても、複数の関係先との接点が出たことで、別々に存在していた情報が今回の資料によって繋がった。

つまり。

二日で巨大な包囲網を作ったわけではない。

それぞれが別々に追っていたものへ、今回、最後の線が繋がった。

「だから、関係機関へ資料を正式に渡したことで、向こうでも確認出来る部分が増えたんです」

「なるほど……」

「我々が警察を好きに動かしてるわけじゃありませんからね」

「そこは分かってますよ!」

……たぶん。

そこへ茂樹先生が苦笑しながら口を挟む。

「ただ、必要な窓口へ早く繋げられたのは、鈴子の経験も大きかったかな」

「……また鈴子さん」

「長く司法の世界にいたからね。どういう資料をどこへ出すべきか、その辺りはよく分かってる」

それなら分かる。

……いや。

鈴子さんの場合、どこまでが普通なのかは未だに分からないけれど。

「今、その鈴子さんは?」

「もう現地だよ」

「もう!?」

「征くんと玲奈さんも一緒」

征さんは通信や現場側の確認。

玲奈さんは企業法務側の資料について、必要な説明に備える。

鈴子さんはホテル側との調整を手伝っているらしい。

耀さんは仕事。

大雅さんも今日は自分の職務があり、ここにはいない。

昨日まであれだけ大人数で騒いでいたせいか、今日は少し静かだと思っていたのに。

裏では。

全然静かじゃなかった。

「では、神宮寺さん」

陸斗さんが私を見る。

「今度は準備です」

「はい」

「一度、以前の雰囲気へ戻してください」

「……以前?」

「眼鏡にして、髪も下ろす。服装も、未來さんがよく知っていた頃に近いものへ」

「…………」

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