薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
一瞬。

警戒した。

「今、“安い服に”って言おうとしませんでした?」

「言ってません」

「絶対、言おうとしましたよね?」

「気のせいです」

怪しい。

ものすごく怪しい。

愛梨さんが笑う。

「そこは紗凪さんが全部やってくれますよ」

衣装。

髪。

メイク。

未來が知っている頃の神宮寺奏へ戻す。

しかも。

紗凪さん自身も、別の姿で現場へ入るらしい。

「神宮寺さんの近くにいますから、大丈夫ですよ」

その言葉に、少しだけ肩の力が抜けた。

紗凪さんなら。

何となく安心出来る。

ところが愛梨さんは、さらに何でもないことのように続けた。

「あと、紗凪さん、護身術とか格闘系もかなり強いので」

「……格闘?」

あの。

柔らかい雰囲気で。

笑うと可愛くて。

「えへへ」なんて言っている人が?

「かなりです」

「かなりって?」

「かなりです」

何で二回言ったんですか。

怖い。

「それと」

陸斗さんが続ける。

「ピアスは付けていってください」

「ピアス?」

「通信機器を仕込みます。外からはほとんど分かりません。こちらからの指示も聞こえますし、神宮寺さんの声も拾えます」

表向きは。

一人。

でも。

本当は一人じゃない。

それだけで、少し安心した。

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