薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
「……久しぶり」

それでも私は笑った。

笑えたと思う。

未來は向かいへ座ると、私の顔を覗き込むように眉を下げた。

「大丈夫? LINE見てびっくりしたんだけど」

「うん……ごめん。急に」

「いいよ。奏から連絡くるなんて久しぶりだし」

優しい。

本当に。

昔と何も変わらないみたいに。

その優しさを。

以前の私は信じていた。

「でも、騙されたって……あの弁護士?」

「うん」

私は視線を落とした。

「耕史がね、奏は結婚してるみたいだって言ってたから、びっくりしたんだよ」

やっぱり。

言ったんだ。

妻。

あの男。

本当にそのまま報告したらしい。

「私も……そう思ってたんだけど」

曖昧に笑ってみせると、未來がほんの少し身を乗り出した。

「何があったの?」

その目を見ながら思った。

食いついてる。

本当に。

ものすごく。

『焦らなくて大丈夫です』

陸斗さんの声。

私は小さく息を吐いた。

「ここだとちょっと話しにくいし……せっかくだから、上でランチしない?」

「いいよ」

即答だった。

また。

簡単。

< 179 / 290 >

この作品をシェア

pagetop