薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
二階のレストランへ移動した。

程よく間隔の空いたテーブル。

柔らかな光の差し込む窓。

奥には、パーティーにも使えそうな広いスペース。

そこにいる誰が関係者なのか。

紗凪さんがどこにいるのか。

本当に分からない。

案内された席へ未來と向かい合って座る。

程なく料理が運ばれてきた。

未來は周囲を気にする様子もなく、何事もなかったように食事を始める。

「それで? お金もなくなったって?」

「うん……ほとんど」

「大変だったね」

その言葉を聞きながら、フォークを持つ指へ余計な力が入らないように気をつけた。

大変だったね。

両親が亡くなった時も。

未來は。

同じ顔で。

同じような言葉を言ったんだろうか。

『神宮寺さん』

陸斗さん。

『次、髙橋さんのことを』

「そういえば」

私はなるべく何気なく切り出した。

「耕史、この前陸斗さんの事務所に来たみたいだけど……未來が行かせたの?」

「うん。ちょっと様子見てきてって頼んだだけ」

「何で?」

未來は水を一口飲み、少し笑った。

「だって心配だったから。奏が変な男に騙されてないか」

……もう騙された設定なんですけど。

「それに耕史、何でも喋っちゃうから使いやすいんだよね」

「使いやすい?」

「悪い意味じゃないよ。頼んだら何でもやってくれるし」

耳元から暢さんの声。

『そのまま』

「未來って、耕史に仕事も頼んでるんだよね?」

「そうだよ。簡単なのだけ」

「坂上先生のことも、耕史から聞いた」

未來の手が、ほんの一瞬止まった。

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