薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
でも。
同時に、別の感情も湧いた。
呼んでもいないのに。
来た。
どうやって坂上先生まで引き出すのか。
そこまで考えていたのに。
未來が、自分から連れてきた。
坂上先生は私たちの席まで来ると、昔と変わらない穏やかな表情を浮かべた。
「久しぶりですね、奏さん」
「……お久しぶりです」
「ご両親のこと以来でしょうか」
その一言に、呼吸が止まる。
どんな顔で。
それを言ってるの。
「未來さんから、いろいろ困っていると聞きましてね。私で役に立てることがあればと思って来たんですよ」
嘘。
たぶん。
私を助けに来たんじゃない。
お金がなくなった。
陸斗さんとも駄目になった。
弱っている。
また利用出来る。
そう思ったから。
来た。
『神宮寺さん』
陸斗さんの声が低くなる。
『そのまま続けてください』
私は小さく息を吐き、坂上先生へ向き直った。
「じゃあ……相談してもいいですか?」
「もちろん」
坂上先生が座る。
二対一。
表面上は。
でも。
不思議と、さっきより怖くなかった。
もう知っているから。
ここで囲まれているのは。
私じゃない。
◇
「私、両親が亡くなったあと、会社もなくなって、財産もほとんど残らなかったんです」
「そうでしたね」
「会社の負債に使われたって聞いてました」
「ええ」
「でも……最近、少し変だなって思うことがあって」
坂上先生の目が僅かに変わった。
未來も笑わなくなる。
「変?」
「未來。私の両親に投資の話、したことあったよね?」
空気が止まった。
ほんの数秒。
でも、はっきり分かった。
未來の顔から余裕が消えた。
「何の話?」
「覚えてない?」
「知らないけど」
「そう」
私は追わなかった。
『十分です』
暢さん。
次。
「坂上先生。アークグローバルソリューションって、昔から企業の危機管理とかM&Aをやっていたんですよね?」
「そうですが」
「私の両親の会社にも、関係していました?」
沈黙。
「どこで、そんな話を?」
坂上先生の声が変わった。
やっと。
聞き返した。
「最近、いろいろ聞いたんです」
「誰からです?」
「それは――」
『神宮寺さん。もう十分です』
陸斗さんの声。
その直後。
レストランの照明が落ちた。
「え?」
同時に、別の感情も湧いた。
呼んでもいないのに。
来た。
どうやって坂上先生まで引き出すのか。
そこまで考えていたのに。
未來が、自分から連れてきた。
坂上先生は私たちの席まで来ると、昔と変わらない穏やかな表情を浮かべた。
「久しぶりですね、奏さん」
「……お久しぶりです」
「ご両親のこと以来でしょうか」
その一言に、呼吸が止まる。
どんな顔で。
それを言ってるの。
「未來さんから、いろいろ困っていると聞きましてね。私で役に立てることがあればと思って来たんですよ」
嘘。
たぶん。
私を助けに来たんじゃない。
お金がなくなった。
陸斗さんとも駄目になった。
弱っている。
また利用出来る。
そう思ったから。
来た。
『神宮寺さん』
陸斗さんの声が低くなる。
『そのまま続けてください』
私は小さく息を吐き、坂上先生へ向き直った。
「じゃあ……相談してもいいですか?」
「もちろん」
坂上先生が座る。
二対一。
表面上は。
でも。
不思議と、さっきより怖くなかった。
もう知っているから。
ここで囲まれているのは。
私じゃない。
◇
「私、両親が亡くなったあと、会社もなくなって、財産もほとんど残らなかったんです」
「そうでしたね」
「会社の負債に使われたって聞いてました」
「ええ」
「でも……最近、少し変だなって思うことがあって」
坂上先生の目が僅かに変わった。
未來も笑わなくなる。
「変?」
「未來。私の両親に投資の話、したことあったよね?」
空気が止まった。
ほんの数秒。
でも、はっきり分かった。
未來の顔から余裕が消えた。
「何の話?」
「覚えてない?」
「知らないけど」
「そう」
私は追わなかった。
『十分です』
暢さん。
次。
「坂上先生。アークグローバルソリューションって、昔から企業の危機管理とかM&Aをやっていたんですよね?」
「そうですが」
「私の両親の会社にも、関係していました?」
沈黙。
「どこで、そんな話を?」
坂上先生の声が変わった。
やっと。
聞き返した。
「最近、いろいろ聞いたんです」
「誰からです?」
「それは――」
『神宮寺さん。もう十分です』
陸斗さんの声。
その直後。
レストランの照明が落ちた。
「え?」