薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
でも。

同時に、別の感情も湧いた。

呼んでもいないのに。

来た。

どうやって坂上先生まで引き出すのか。

そこまで考えていたのに。

未來が、自分から連れてきた。

坂上先生は私たちの席まで来ると、昔と変わらない穏やかな表情を浮かべた。

「久しぶりですね、奏さん」

「……お久しぶりです」

「ご両親のこと以来でしょうか」

その一言に、呼吸が止まる。

どんな顔で。

それを言ってるの。

「未來さんから、いろいろ困っていると聞きましてね。私で役に立てることがあればと思って来たんですよ」

嘘。

たぶん。

私を助けに来たんじゃない。

お金がなくなった。

陸斗さんとも駄目になった。

弱っている。

また利用出来る。

そう思ったから。

来た。

『神宮寺さん』

陸斗さんの声が低くなる。

『そのまま続けてください』

私は小さく息を吐き、坂上先生へ向き直った。

「じゃあ……相談してもいいですか?」

「もちろん」

坂上先生が座る。

二対一。

表面上は。

でも。

不思議と、さっきより怖くなかった。

もう知っているから。

ここで囲まれているのは。

私じゃない。



「私、両親が亡くなったあと、会社もなくなって、財産もほとんど残らなかったんです」

「そうでしたね」

「会社の負債に使われたって聞いてました」

「ええ」

「でも……最近、少し変だなって思うことがあって」

坂上先生の目が僅かに変わった。

未來も笑わなくなる。

「変?」

「未來。私の両親に投資の話、したことあったよね?」

空気が止まった。

ほんの数秒。

でも、はっきり分かった。

未來の顔から余裕が消えた。

「何の話?」

「覚えてない?」

「知らないけど」

「そう」

私は追わなかった。

『十分です』

暢さん。

次。

「坂上先生。アークグローバルソリューションって、昔から企業の危機管理とかM&Aをやっていたんですよね?」

「そうですが」

「私の両親の会社にも、関係していました?」

沈黙。

「どこで、そんな話を?」

坂上先生の声が変わった。

やっと。

聞き返した。

「最近、いろいろ聞いたんです」

「誰からです?」

「それは――」

『神宮寺さん。もう十分です』

陸斗さんの声。

その直後。

レストランの照明が落ちた。

「え?」

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