薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
少し遅れて、征さんがレストランへ入ってきた。

愛梨さんたちのように駆け込んでくるわけではない。まず室内を見回し、残っている機材や警察側の動きを確認してから、こちらへ歩いてくる。

「通信も設備も問題ありませんでした。警察側への切り替えも予定通りです」

「良かったです」

征さんは一度頷くと、今度は私を見る。

「神宮寺さん、大丈夫ですか?」

「はい。大丈夫です」

「怪我は?」

「ありません」

「なら良かったです」

短い言葉だったけれど、その瞬間、征さんもようやく少しだけ肩の力を抜いた。



もちろん、事件そのものがこれですべて片づいたわけじゃない。

これから正式な捜査が進み、会社のことも財産のことも、事故についても一つずつ法的に整理していかなければならない。未來と坂上先生が最終的にどうなるのかも、まだ分からない。

それでも、少なくとも私はもう二人を追いかけなくていい。

何が本当なのか分からないまま疑って、探して、また別の嘘を見つけて、そのたびに傷つく。そんなことを、もう続けなくていい。

それだけで十分だった。

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