薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
純さんが吹き出し、聖子さんも、鈴子さんまで笑っている。

でも私の胸の奥では、別の何かが少しずつ動き始めていた。

黒縁メガネ。

図書館。

十八歳くらいの、身体の大きな男の人。

少し暗くて、いつも本を読んでいた。

何か、ある。

思い出せそうなのに、まだ届かない。

「それで」

私は陸斗さんを見る。

「どうして十六年も覚えてたんですか?」

今度は茂樹先生が答えなかった。

代わりに、息子へ視線を向ける。

「そこから先は本人に話させようか。さすがに全部父親から暴露されるのも可哀想だから」

「もう十分されていますけど」

陸斗さんが小さく息を吐き、それから私を見る。

「神宮寺さん。公園だけではありません。私たちは、そのあと図書館で何度も会っています」

「……私が?」

「はい」

陸斗さんはゆっくり続けた。

「ある日、図書館で私とあなたがぶつかりました。その拍子に、私のメガネが床へ落ちたんです」

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