薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
ホテルを出る時、私は確かに一人で帰ると言ったはずだった。

少し頭を冷やしたい。

今日は一旦、別行動にしよう。

そう言った。

言ったはずなのに。

どういう流れだったのか、自分でもよく分からないまま、気づけば私は陸斗さんの車に乗せられ、途中で朝食まで食べさせられ。

普通に二人で帰宅していた。

「……何でこうなったんだろう」

玄関に立ったまま呟くと、隣で靴を脱いでいた陸斗さんが顔を上げた。

「何がですか?」

「全部です。何故か分からないけど、流された感じがするんですよ」

「俺は何も無理強いしていませんよ」

「それが一番怖いんです!」

そう。

無理矢理じゃない。

押し切られたという感じでもない。

気づけば私が普通に返事をして、普通について行って、普通に隣を歩いている。

……何なの、この人。

そして、さらに困ったことが一つあった。

婚約してからというもの。

陸斗さんの距離が。

おかしい。

ものすごく。

おかしい。

「奏」

「はい?」

リビングへ入ろうとしたところで手を取られ、そのまま指を絡めるように握られる。

これは、まあいい。

手を繋ぐくらいなら。

婚約者なんだから。

多分。

普通。

そう自分に言い聞かせながらソファへ向かったら、今度は髪へ手が伸びてきた。

「少し跳ねていますよ」

「え?」

耳の横の髪を整えるように、さらりと指が触れる。

近い。

いや。

これもまだ。

髪くらい。

そう思っていたら。

次は頬。

「…………何してるんですか」

「触っています」

「それは分かります!」

何で頬を触る必要があるんですか。

「少し痩せました?」

「高熱出してましたからね!」

「もう少し食べた方がいいですね」

「だからって頬で確認しなくても分かるでしょう!」

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