薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
弁護士の使い方が間違ってる。

「とにかく今日は、自分の部屋へ帰ってください!」

「では、奏からしてくれたら今日は帰ります」

「…………何を?」

聞いた瞬間。

陸斗さんが、自分の唇を軽く指した。

「キス」

「…………」

何でそうなる。

「嫌です」

「では帰りません」

「子どもですか!」

結局、私はしばらく睨んだあと、大きく息を吐いた。

「……本当に一回したら帰ります?」

「今日は帰ります」

今日は。

そこ。

強調する?

「絶対ですよ」

「約束します」

仕方なく一歩近づく。

「目、閉じてください」

「なぜですか?」

「恥ずかしいからです!」

ようやく目を閉じた陸斗さんの頬へ、ほんの一瞬だけ唇を触れさせた。

「はい! 終わり! 帰ってください!」

勢いよく離れると、陸斗さんがゆっくり目を開けた。

「……頬ですか」

「頬でもいいって言いましたよね!」

「言いましたけど」

「じゃあ約束成立です!」

「仕方ありませんね」

そう言いながら、何故かものすごく満足そうなのが腹立つ。

「では今日は帰ります」

「“今日は”を強調しないでください!」

ようやく玄関へ向かい、扉を開けた陸斗さんは、出ていく直前に振り返った。

「奏」

「何ですか」

「明日は俺からしますね」

「何の予告ですか!」

扉が閉まったあと。

私はしばらく、静かになった部屋に立ち尽くした。

そして。

両手で顔を覆う。

「……全然ついていけないんですけどー!」
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