薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
その日の夕方。
私は東京へ戻る新幹線には乗らず、そのまま北海道へ向かった。
最初から予定していたわけじゃない。
逃げるつもりで静岡へ来たわけでもない。
墓参りは最初から決めていたし、一泊分の荷物もただの念のため。
北海道へ行くなんて。
朝の私は。
一ミリも考えていなかった。
全部。
あの二本の線を見てから決めたことだった。
少しだけ。
時間が欲しかった。
それだけ。
◇
北海道へ着いた私を、恵麻は到着ロビーで待っていた。
久しぶりに実物を見て。
改めて思う。
「……相変わらず格好いいね」
「何それ」
身長百七十センチ。
すらりとした長身。
真っ直ぐ伸びた姿勢。
顔立ちはそこらの男性よりずっと整っていて、昔からよく男の子に間違われていた。
今だって。
シンプルな服装なのに、普通にどこかのモデルみたいだ。
「相変わらず男前」
「女だけど」
「知ってる」
恵麻は私を上から下まで一度見たあと。
開口一番。
「病院行くよ」
「……今?」
「今」
「ちょっと休ませてよ」
「陽性出てるんでしょ」
「出てるけど」
「じゃあ行く」
「恵麻!」
北海道まで来ても。
逃げられなかった。
相手が変わっただけだった。
私は東京へ戻る新幹線には乗らず、そのまま北海道へ向かった。
最初から予定していたわけじゃない。
逃げるつもりで静岡へ来たわけでもない。
墓参りは最初から決めていたし、一泊分の荷物もただの念のため。
北海道へ行くなんて。
朝の私は。
一ミリも考えていなかった。
全部。
あの二本の線を見てから決めたことだった。
少しだけ。
時間が欲しかった。
それだけ。
◇
北海道へ着いた私を、恵麻は到着ロビーで待っていた。
久しぶりに実物を見て。
改めて思う。
「……相変わらず格好いいね」
「何それ」
身長百七十センチ。
すらりとした長身。
真っ直ぐ伸びた姿勢。
顔立ちはそこらの男性よりずっと整っていて、昔からよく男の子に間違われていた。
今だって。
シンプルな服装なのに、普通にどこかのモデルみたいだ。
「相変わらず男前」
「女だけど」
「知ってる」
恵麻は私を上から下まで一度見たあと。
開口一番。
「病院行くよ」
「……今?」
「今」
「ちょっと休ませてよ」
「陽性出てるんでしょ」
「出てるけど」
「じゃあ行く」
「恵麻!」
北海道まで来ても。
逃げられなかった。
相手が変わっただけだった。