薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
その日の夕方。

私は東京へ戻る新幹線には乗らず、そのまま北海道へ向かった。

最初から予定していたわけじゃない。

逃げるつもりで静岡へ来たわけでもない。

墓参りは最初から決めていたし、一泊分の荷物もただの念のため。

北海道へ行くなんて。

朝の私は。

一ミリも考えていなかった。

全部。

あの二本の線を見てから決めたことだった。

少しだけ。

時間が欲しかった。

それだけ。



北海道へ着いた私を、恵麻は到着ロビーで待っていた。

久しぶりに実物を見て。

改めて思う。

「……相変わらず格好いいね」

「何それ」

身長百七十センチ。

すらりとした長身。

真っ直ぐ伸びた姿勢。

顔立ちはそこらの男性よりずっと整っていて、昔からよく男の子に間違われていた。

今だって。

シンプルな服装なのに、普通にどこかのモデルみたいだ。

「相変わらず男前」

「女だけど」

「知ってる」

恵麻は私を上から下まで一度見たあと。

開口一番。

「病院行くよ」

「……今?」

「今」

「ちょっと休ませてよ」

「陽性出てるんでしょ」

「出てるけど」

「じゃあ行く」

「恵麻!」

北海道まで来ても。

逃げられなかった。

相手が変わっただけだった。
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