薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
連れて行かれたのは、恵麻が看護師として働いている病院だった。

必要な手続きを済ませ、診察を待つ。

「ちょっと待ってよ」

「何」

「心の準備」

「陽性見て北海道まで来る時間あったでしょ」

「そういう問題じゃない!」

「じゃあ何」

「分からない!」

「なら先に診てもらう」

強い。

本当に。

強い。

そして。

診察室。

私はモニターを見ながら固まっていた。

先生が画面を確認する。

「大体、十週くらいですね」

「…………十週?」

思っていたより。

進んでる。

頭の中で必死に日付を遡る。

二か月ちょっと。

その時。

先生が画面を少し調整した。

「それと。赤ちゃん、三人確認できますね」

「…………」

今。

何て?

隣にいた恵麻が先に口を開いた。

「先生、三胎で間違いないですか?」

「現時点では三人確認できます」

「…………」

私はまだ。

意味を理解できていなかった。

「……三つ子?」

「そうみたいね」

「何で?」

「私に聞かないで」

モニターを見る。

一つ。

二つ。

三つ。

何度見ても。

三つ。

そして思わず。

「何で遺伝子というか……繁殖能力まで強いのよ」

と口から出た。

「奏。それ多分関係ない」

恵麻が真顔で言う。

「分かってる!」

「じゃあ言うな」

「今は何かのせいにしたいの!」

先生が少し笑ったあと。

三胎妊娠であること。

一人の妊娠より慎重な経過観察が必要になること。

母体への負担。

今後の定期的な診察や管理について説明してくれた。

私は聞いていた。

頭では。

聞いている。

でも。

どこか現実じゃないみたいだった。

三人。

私のお腹に。

三人。

そこまで考えた瞬間。

急に。

怖くなった。

さっきまでは。

妊娠しているかもしれない。

だった。

でも。

今は違う。

いる。

ちゃんと。

いる。

しかも。

三人。

診察が終わり、廊下へ出てから。

私はようやく声を出した。

「……恵麻」

「何」

「私、どうしよう」

恵麻は、すぐには答えなかった。

でも。

いつものぶっきらぼうな声で。

「今すぐ全部決めなくていい」

そう言った。

「でも、一人で考えるな。そのために北海道まで来たんでしょ」

その一言で、胸の奥が少しだけ緩んだ。

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