薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
早い。
どう考えても早すぎる。
昨日まで九州へ二泊三日の出張に行っていた人が、どうして翌朝には北海道にいるのよ。
そもそも、九州から北海道って、そんな勢いで移動する距離じゃないでしょう。
私が言葉を失っていると、真那斗さんがさらに追い打ちをかけた。
「征さんも一緒です」
「征さんまで!?」
その言葉を聞いた瞬間、私の中で何かが弾けた。
「逃げなきゃ」
「何?」
「とにかく今は会いたくない!」
まだ無理だ。
妊娠したことだけでも心の整理が追いついていないのに、三つ子だなんて、陸斗さんへどう伝えればいいのか全然分からない。
絶対に大騒ぎする。
病院はどうする。
仕事はどうする。
何を食べた。
何処へ行く。
誰と行く。
きっと私がまだ一つも考えられていないうちから、陸斗さんの頭の中では今後の予定が一気に組み立てられていく。
悪気がないのは分かっているし、それだけ心配してくれていることも知っている。
でも、今の私には、それすら受け止める余裕がなかった。
「ちょっとだけ……本当にちょっとだけ、時間が欲しいの!」
私は慌ててバッグを掴み、最低限の荷物だけを突っ込んだ。
「奏、何処行くの」
恵麻が呆れたように聞いてくる。
「分かんない!」
「分かんないのに逃げるの?」
「何処でもいいの! とにかく今は会いたくない!」
その瞬間。
ピンポーン。
玄関のチャイムが鳴った。
全員の動きが、ぴたりと止まる。
どう考えても早すぎる。
昨日まで九州へ二泊三日の出張に行っていた人が、どうして翌朝には北海道にいるのよ。
そもそも、九州から北海道って、そんな勢いで移動する距離じゃないでしょう。
私が言葉を失っていると、真那斗さんがさらに追い打ちをかけた。
「征さんも一緒です」
「征さんまで!?」
その言葉を聞いた瞬間、私の中で何かが弾けた。
「逃げなきゃ」
「何?」
「とにかく今は会いたくない!」
まだ無理だ。
妊娠したことだけでも心の整理が追いついていないのに、三つ子だなんて、陸斗さんへどう伝えればいいのか全然分からない。
絶対に大騒ぎする。
病院はどうする。
仕事はどうする。
何を食べた。
何処へ行く。
誰と行く。
きっと私がまだ一つも考えられていないうちから、陸斗さんの頭の中では今後の予定が一気に組み立てられていく。
悪気がないのは分かっているし、それだけ心配してくれていることも知っている。
でも、今の私には、それすら受け止める余裕がなかった。
「ちょっとだけ……本当にちょっとだけ、時間が欲しいの!」
私は慌ててバッグを掴み、最低限の荷物だけを突っ込んだ。
「奏、何処行くの」
恵麻が呆れたように聞いてくる。
「分かんない!」
「分かんないのに逃げるの?」
「何処でもいいの! とにかく今は会いたくない!」
その瞬間。
ピンポーン。
玄関のチャイムが鳴った。
全員の動きが、ぴたりと止まる。