薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
「結婚は?」

「まだ。話はしてるけど、仕事とかいろいろあるからタイミング見てるだけ」

それなら余計な心配をする必要はなさそうだ。

でも今度は、別のことが気になった。

「それより大丈夫なの? お腹」

「あんたが心配する? そこ」

「するよ! 二十週なのに私を追いかけて走ったじゃん!」

「奏が全力で逃げるからでしょ」

「それは……そうだけど」

完全に私のせいだった。

すると恵麻は、今度はじっと私を見る。

「それより私は、昨日まで妊娠に気づいてなかった奏の方が心配だけどね」

「何が?」

「色々」

その言い方に、嫌な予感しかしない。

「陸斗さんと、かなり仲良かったんでしょ。身体、大丈夫だったのかなって」

「ちょっと待って!」

思わず両手で顔を覆った。

「何でそんな赤裸々に話すのよ!」

恵麻は一瞬きょとんとしてから、

「あ、ヤバい。いつもの癖で」

と呟く。

「何の癖よ」

「仕事。普段こういう話、普通に聞くから」

「あのね。私は患者じゃないの!」

「知ってる」

「だったら、もう少しオブラートに包んで!」

「分かった」

「本当に?」

「多分」

「信用できない!」

そんなくだらないやり取りをしているうちに、昨日からずっと張りつめていた気持ちが、少しずつ緩んでいくのが分かった。

妊娠。

三つ子。

陸斗さん。

これからのこと。

何一つ解決していないし、不安だって消えたわけじゃない。

それでも、昔から変わらない恵麻と話しているだけで、少しだけ息がしやすくなる。

「で、このあとどうする?」

私が聞くと、恵麻は残っていたジュースを飲みながら、平然と答えた。

「まあ、そろそろ捕まるんじゃない?」

「それ言わないでよ!」
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