薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
そして今度は、隣にいる恵麻へ顔を向けた。

「あっ、ご挨拶が遅くなりました。澤登陸斗です。真那斗がいつもお世話になっています」

「初めましてではないですよ?」

「……え?」

「私も昔、会ってますよ。奏と一緒に、公園とか図書館で」

陸斗さんが恵麻の顔をじっと見つめ、少しずつ記憶を辿っているらしい。

「あの時、奏と一緒にいた……」

「そうです。奏の名前、何度も聞かれましたよね」

「……聞きました」

「でも私、教えたかどうかは覚えてないんですよね」

今、それの答え合わせする?

昔の話まで始まり、私が何とも言えない気分で二人を見ていると、ここまで黙っていた征さんがとうとう口を挟んだ。

「それより陸斗さん。我々も何か食べたり飲んだりしませんか?」

「えっ、食べてないんですか?」

思わず聞くと、征さんは深く頷いた。

「はい。神宮寺さんも食べていませんでしたが、こちらもです。陸斗さんなんか昨日からずっとブツブツ言って、あちこち連絡して、皆さんに怒られて、最後は自滅しましたから」

「自滅?」

「朝、移動中に気を失いました」

「えっ!?」

思わず立ち上がりかけた私に、征さんが笑う。

「まあ、寝落ちですけどね」

「びっくりさせないでください!」

「一晩中騒いでいた人が突然動かなくなったので、こちらも一瞬驚きました」

「寝ただけです」

陸斗さんが低い声で訂正したけれど、どう見ても限界寸前なのは明らかだった。

結局、陸斗さんと征さんも朝食を注文することになり、全員がようやくまともに食事を取った。

温かい飲み物を口にして少しだけ空気が落ち着いたところで、陸斗さんが改めて私を見る。

「では、話してもらいましょうか」

「……何を」

「全部です」

ですよね。

分かってました。

ここまで追いかけてきた人に、

『何でもありません』

で済ませられるわけがない。

私は一度だけ深く息を吸い、覚悟を決めた。
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