薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
それを言われてしまえば、二人とも何も返せない。

しかも気づけば、到着ロビーの真ん中で大の大人二人が一人の男性へ何度も頭を下げている。当然、行き交う人たちからはちらちらと見られていたけれど、今さらそんなことを気にしている場合でもなかった。

「今回は本当に申し訳ありませんでした」

「ご迷惑をお掛けしました」

改めて二人で頭を下げると、征さんはとうとう困ったように笑った。

「もう大丈夫ですから、二人とも頭を上げてください。怒っているわけではありません」

「本当に?」

私が顔を上げると、征さんは少し考えてから続けた。

「ただ、しばらく陸斗さんから夜中に電話が掛かってきても、出るかどうかは考えます」

「……それは当然だと思います」

陸斗さんが素直に頷く。

昨日からの騒ぎを考えれば、本当に当然だった。

「では、お言葉に甘えて直帰します。神宮寺さんも、今日は無理をしないでください」

「はい」

「それと陸斗さん」

「はい」

「神宮寺さんのことばかり気にする前に、ご自分も休んでください。昨日、一度倒れてますからね」

「……はい」

珍しく陸斗さんが何も言い返さない。

征さんはそれを確認するように少し笑ってから、「では、私はこれで」と頭を下げ、人混みの中へ消えていった。
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