薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
ビルへ戻ると、一階のカフェにはCLOSEDの札が掛かっていた。
いつもならまだ人の出入りがある時間なのに、今日は妙に静かだった。
「今日は閉めてるんですね」
ガラス越しに店内を見ながら言うと、純さんが「ああ。今日はね」とだけ答える。
明らかに含みのある返事だったけれど、詳しく聞く前に上へ行こうと促され、そのまま事務所へ向かった。
扉を開けた瞬間だった。
「奏ちゃん!」
奥から声が飛んできたと思ったら、聖子さんがものすごい勢いでこちらへ駆け寄ってくる。
「無事に帰ってきた! 大丈夫? 何処か痛いところない? 変なことされてない?」
「えっ?」
いきなり全身を確認するように見られ、私は戸惑いながら首を振った。
「大丈夫です。何もされてません」
「本当に?」
「本当ですって!」
私が答えると、聖子さんはようやく少し安心したらしい。
ところが次の瞬間、今度は私の隣にいる陸斗さんへ顔を向けた。
「陸斗も大丈夫? 奏ちゃんに襲われてない?」
「……聖子さん」
陸斗さんが心底疲れた顔で名前を呼ぶ。
私は一瞬、意味を理解できず、そのあと遅れて声を上げた。
「ちょっと、物騒なこと言わないでください!」
後ろで純さんが吹き出し、愛梨まで口元を押さえている。
聖子さんは改めて私たち二人を見て、ようやくほっとしたように表情を緩めた。
「とにかく、二人とも無事に帰ってきて良かった」
「ご心配をお掛けしました」
私が頭を下げると、陸斗さんも隣で「すみませんでした」と続けた。
すると聖子さんは、「もういいの。帰ってきたんだから」と笑い、それから何故か妙に楽しそうな顔で私たちを促した。
「ほら、今日はもう事務所も閉めるから、早く上に行くよ!」
「上?」
「澤登家」
私は思わず陸斗さんを見る。
陸斗さんも少しだけ嫌そうな顔をした。
「父さん、何してるんですか」
「それがね」
聖子さんはものすごく楽しそうだった。
「茂樹兄さん、朝からメッチャ張り切ってる」
その一言だけで、嫌な予感はさらに強くなった。
いつもならまだ人の出入りがある時間なのに、今日は妙に静かだった。
「今日は閉めてるんですね」
ガラス越しに店内を見ながら言うと、純さんが「ああ。今日はね」とだけ答える。
明らかに含みのある返事だったけれど、詳しく聞く前に上へ行こうと促され、そのまま事務所へ向かった。
扉を開けた瞬間だった。
「奏ちゃん!」
奥から声が飛んできたと思ったら、聖子さんがものすごい勢いでこちらへ駆け寄ってくる。
「無事に帰ってきた! 大丈夫? 何処か痛いところない? 変なことされてない?」
「えっ?」
いきなり全身を確認するように見られ、私は戸惑いながら首を振った。
「大丈夫です。何もされてません」
「本当に?」
「本当ですって!」
私が答えると、聖子さんはようやく少し安心したらしい。
ところが次の瞬間、今度は私の隣にいる陸斗さんへ顔を向けた。
「陸斗も大丈夫? 奏ちゃんに襲われてない?」
「……聖子さん」
陸斗さんが心底疲れた顔で名前を呼ぶ。
私は一瞬、意味を理解できず、そのあと遅れて声を上げた。
「ちょっと、物騒なこと言わないでください!」
後ろで純さんが吹き出し、愛梨まで口元を押さえている。
聖子さんは改めて私たち二人を見て、ようやくほっとしたように表情を緩めた。
「とにかく、二人とも無事に帰ってきて良かった」
「ご心配をお掛けしました」
私が頭を下げると、陸斗さんも隣で「すみませんでした」と続けた。
すると聖子さんは、「もういいの。帰ってきたんだから」と笑い、それから何故か妙に楽しそうな顔で私たちを促した。
「ほら、今日はもう事務所も閉めるから、早く上に行くよ!」
「上?」
「澤登家」
私は思わず陸斗さんを見る。
陸斗さんも少しだけ嫌そうな顔をした。
「父さん、何してるんですか」
「それがね」
聖子さんはものすごく楽しそうだった。
「茂樹兄さん、朝からメッチャ張り切ってる」
その一言だけで、嫌な予感はさらに強くなった。