薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
全員でエレベーターへ乗り込み、いつものように認証を済ませる。

特殊住居階へ到着したあとも、そこから先はもう一度認証が必要だった。

陸斗さんが二度目の認証を済ませ、小さな電子音が鳴る。

本来ならそのあとインターホンを押し、中から開けてもらうはずなのに、まだ私たちが何もしていないうちに、目の前の扉が景気のいい音を立てて勢いよく開いた。

「おかえり〜!」

明るい声と同時に、ふわっと何かが舞った。

視界いっぱいに散ったのは、赤や淡いピンクの薔薇の花びら。

私はその場で固まった。

「…………茂樹先生?」

「うん。おかえり」

ものすごくいい笑顔だった。

しかも両手には、まだ花びらが残っているらしい浅い籠まで持っている。

「……何してるんですか」

「歓迎」

「歓迎って……」

「無事帰還のお祝い」

そう言いながら、茂樹先生は残っていた花びらをもう一度ぱらぱらと撒いた。

「もう薔薇はいりません!」

思わず声を上げると、後ろで純さんがとうとう吹き出した。

でも、衝撃はそれだけでは終わらなかった。

中へ入ると、天井や壁にはバルーンやガーランドが飾られ、リビングへ続く動線にはリボンまで飾られている。

そして中央には、これ見よがしに大きな垂れ幕。

『㊗︎帰還!! おめでとう結婚』

私はしばらく文字を見つめ、それから茂樹先生を振り返った。

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