薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
「帰還までは分かりますけど、何で、もう結婚までおめでとうになってるんですか!」

「そろそろそういう流れかなと思って」

「思っただけで垂れ幕まで作ります!?」

茂樹先生は悪びれるどころか楽しそうに笑っている。

その奥では、暢さんと大雅さん、それから紗凪さんまでがキッチンに並び、忙しそうに料理を作っていた。

テーブルにはすでに、オードブルの大皿やサラダ、前菜、カナッペ、温かい料理まで所狭しと並んでいる。

「……一体どれだけ作ったんですか」

思わず呟くと、紗凪さんがひょこっと顔を出した。

「まだありますよ!」

「まだあるんですか!?」

しかもデザート類は、大雅さんがほとんど作ったらしい。

小さなタルトにムース、焼き菓子まで、どれも綺麗に並んでいて、どう見ても素人の仕上がりには見えない。

私は箱の中と本人を交互に見た。

ぶっきらぼうな表情としっかりした身体つきからは、どうしても繊細な菓子作りが結びつかない。

「……人って、本当に見かけによらないんですね」

聞こえたらしく、大雅さんがこちらを睨んだ。

「どういう意味だ」

「褒めてます! 本気で!」

「絶対違うだろ」

「褒めてますって!」

紗凪さんが笑い、周囲からも笑い声が起こる。

北海道へ向かう前まで、ここへ戻ってくることが少し怖かった。

みんなに何を言われるのか、怒られるのか、それとも呆れられるのか、そんなことばかり考えていた。

それなのに実際に帰ってみれば、薔薇の花びらを撒かれ、山ほど料理を用意され、挙げ句の果てには結婚まで勝手に祝われている。

この人たちらしいと言えば、この人たちらしい。

そして困ったことに、そんな騒がしさに少し安心している自分もいた。
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