薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
ひと通り騒ぎが落ち着いたところで全員が席につくと、茂樹先生が私と陸斗さんを交互に見た。

「では、ご帰還されたお二人から、今回のご報告をいただこうか」

さっきまで薔薇の花びらを撒いていた人とは思えないくらい、声だけは妙に落ち着いている。

「ここにいるメンバーには今回かなり心配を掛けたからね。もちろん、話せる範囲でいいよ」

私は一度、陸斗さんを見る。

陸斗さんもこちらを見て、小さく頷いた。

北海道を出る前に、二人で決めた。

妊娠していることは話す。

でも、三つ子だということは、まだ私たちの中に置いておく。

それだけは、もう少し二人で考える時間が欲しかった。

「もともとは、本当に静岡へ両親のお墓参りに行くつもりだったんです」

そこから私は、話せる範囲で経緯を説明した。

事件が一段落したあと、ずっと後回しにしていた両親のお墓へ行きたくなったこと。

静岡でいろいろなことを考えているうちに、昔から連絡を取り続けていた幼馴染の恵麻へ電話をしたこと。

そのまま北海道へ来るよう言われ、勢いのまま飛行機へ乗ったこと。

そして、スマートフォンの充電が切れていることに気づかないまま連絡が取れなくなり、結果的に大騒ぎへ発展してしまったこと。

「つまり、最初から北海道へ逃亡する計画だったわけではない?」

暢さんが腕を組みながら確認する。

「違います!」

「結果的には立派な逃亡だけどな」

大雅さんがぼそっと言う。

「……それは否定できません」

「連絡くらいしろよ」

「はい」

「陸斗が酷かったぞ」

「何がですか?」

私が聞くと、暢さんは即答した。

「電話」

「俺にも来た」

「私にも来たわ」

聖子さんが続き、純さんも手を上げる。

「うちにも。大和、一回通知切ったからね」

「何で?」

陸斗さんが純さんを見る。

「何でって、仕事中だから! 必要な連絡ならともかく、同じこと何回も送ってくるんだもん」

「奏がいなかったので」

「だからって全員に何十件も送らないでよ!」

「……そんなに?」

私が聞くと、全員が黙って頷いた。

思っていた以上に酷かったらしい。

「玲奈にも連絡した?」

大雅さんが聞く。

「しました」

「耀にも?」

「連絡しました」

「暢さんは?」

「当然」

「征さんは?」

「ずっと隣にいました」

「知ってる」

とうとう大雅さんが額を押さえた。

「一人いなくなっただけで、何人動かしてんだよ」

「奏ですから」

陸斗さんは真顔だった。

大雅さんはしばらく陸斗さんを見たあと、今度は私へ向き直る。

「神宮寺さん」

「はい」

「次から、せめて連絡だけは頼む」

「……はい」

否定する余地がない。
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