薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
その返事が少しだけ震えている気がして、私はゆっくり身体を向けた。

「だから、一つ約束してください」

「何ですか?」

「これから先、何でも陸斗さん一人で決めないでください。私のことも、この三人のことも、病院も、仕事も、家のことも、全部です」

お腹の上にある陸斗さんの手へ、もう一度自分の手を重ねる。

「全部、一緒に決めてください」

陸斗さんは、すぐには答えなかった。

しばらく私を見つめたあと、ゆっくり頷く。

「分かりました」

「本当に?」

「はい。ただ、努力はします」

「努力なんですか」

「俺、多分かなり先回りしてしまうので」

「知ってます」

「奏のことになると、余計に」

「それも知ってます」

陸斗さんは苦笑し、それから少しだけ真面目な顔に戻った。

「でも、奏が嫌がることはちゃんと聞きます。勝手に全部決めるのはやめます」

「じゃあ約束です」

「はい」

そこまで言って安心しかけたところで、陸斗さんが続けた。

「ただし、逃げる時も相談してください」

「逃げる相談って何ですか!」

思わず振り返ると、陸斗さんが久しぶりに穏やかに笑った。

つられて私も笑ってしまう。

この人は、本当に何処までいってもこの人らしい。
< 269 / 290 >

この作品をシェア

pagetop