薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
これまでの私は、何かが怖くなるたびに、その場所から離れることで自分を守ろうとしてきた。

未來たちとの関係からも、両親を失った過去からも、誰かを信じることからも、幸せになることからも逃げて、妊娠していると分かった時には、ついに陸斗さんからまで離れようとした。

一人で考えるためだったと言えば聞こえはいいけれど、結局のところ、私は怖くなるとまず逃げることを選んでいたのだと思う。

それでも、北海道から東京へ戻ると決めたのは私だった。

家族の前で陸斗さんと結婚すると言ったのも、婚姻届をすぐに出さず二人で考えたいと伝えたのも、私自身だった。

いつ婚姻届を出すのか、何処に住むのか、仕事をどうするのか、この三人をどう迎えるのか、そして三つ子であることをいつ皆へ伝えるのか。

その答えは、まだ何一つ決まっていない。

でも、今はそれでいいと思える。

今日中に全部の答えを出す必要なんてないし、一人で正解を探し続ける必要もない。

これからは陸斗さんと二人で考えればいい。

それで足りない時には、きっとあの騒がしすぎる人たちが、頼んでもいないのに手を差し伸べてくれる。

以前の私なら、それすら鬱陶しいと思ったかもしれない。

今は、その騒がしさを少しだけ温かいと思えるようになった。

「奏」

考え込んでいると、陸斗さんが私を呼んだ。

「何ですか?」

「好きです」

「……急ですね」

「言いたくなったので」

「はいはい」

「愛してます」

「分かりました」

「これからも言います」

「ほどほどにしてください」

「無理です」

即答された。

やっぱり、この人は全然変わらない。

「というか、この先もっと酷くなりません?」

「何がですか?」

「束縛」

「してません」

「してます」

「心配してるだけです」

「それを束縛って言うんです!」

「奏が逃げなければ減ります」

「絶対嘘です」

「じゃあ減りません」

「認めた!」

思わず声を上げると、陸斗さんが笑った。

もう、本当に仕方がない人だと思う。

それでも私は、この人の腕の中で一緒に笑っていた。
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