薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
けれど、何日経っても、何週間経っても、大きく口を挟んでくる人はいなかった。

だったら、この隙に最大限、私たちの好きなようにしてしまおう。

そう決めた。

茂樹先生から預かった婚姻届は、あの日すぐには出さなかった。

いつ提出するのかも二人で決めて、私たちなりのタイミングで一緒に役所へ行き、正式に夫婦になった。

大々的な結婚式もしなかった。

家族や親しい人たちだけで食事をして、写真を残して、それくらいの小さな形にした。

それで十分だったし、私たちらしかったと思う。

そしてもう一つ、あの日私がみんなの前で口にした、

『だったら家、建てられますよね』

という話も、本当に形にすることになった。

今度は陸斗さん一人で決めるのでもなく、私が勝手に決めるのでもなく、土地も家も、これから暮らしていく場所も、二人で一緒に選んだ。

私たちが選んだのは、都心から少しだけ離れた場所。

澤登法律事務所までは車で三十分ほどだから、通えない距離ではない。

でも。

あのビルからは、ちゃんと離れている。

そこは、とても大事だった。

土地は思い切って広い場所を選び、家は二階建てにした。庭に面した大きな窓からたっぷり光が入り、子どもたちが好きなだけ走り回れて、大型犬を何匹か飼ったとしても窮屈にならないくらいの庭も確保した。

子ども部屋も、最初から余裕を持って作った。

三つ子だけで終わるとは限らない。

もしこの先、子どもが増えたとしても困らない家。

そして何より重要なのが、あの澤登家のみんなが一斉に押しかけてきても、全員まとめて受け入れられるだけの広さがあること。

それが、私の条件だった。

設計段階でそれを聞いた陸斗さんが、不思議そうな顔をした。

「そこまで必要ですか?」

「必要です」

私は即答した。

「本当に?」

「絶対に必要です」

何故なら、あの家族だから。

突然十人近く増えることくらい、普通にある。

むしろ最初から想定しておかなければ、あとで絶対に後悔する。
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