薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
勝手に想像して、勝手に焦って、勝手に離婚を拒否している。
この人。
十年以上経っても、根本的なところは何も変わっていない。
「陸斗さん。私、普通に『話したいことがある』って送っただけですよね?」
「奏が『早く帰ってきて』なんて言うからです」
「たまには言いますよ!」
「ほとんど言いません」
「…………」
それは、まあ。
そうかもしれない。
「とにかく座ってください」
「本当に離婚じゃない?」
「違います!」
ようやく少しだけ落ち着いたらしい陸斗さんが椅子へ座ったところで、私はテーブルの上に置いていた券を、その前へ滑らせた。
「これです」
「……何ですか?」
「見てください」
陸斗さんは券を見る。
私を見る。
もう一度、券を見る。
「…………一等?」
「はい」
「一億?」
「はい」
私は小さく頷いた。
「また当たりました」
しばらく、完全に止まった。
その姿を見ながら、私はふと思う。
この人。
三つ子の時も止まったな。
でも今回は倒れなかった。
さすがに十年以上一緒に暮らして、少しは耐性がついたらしい。
――と思った次の瞬間。
陸斗さんが突然立ち上がった。
「えっ?」
強く抱きしめられ、そのままキス。
「ちょっ……陸斗さん!」
ようやく唇が離れたと思ったら、今度は両腕でしっかり囲われたまま、ものすごく真剣な顔で見つめられた。
「奏」
「何ですか」
「大好きです」
「……はい?」
「愛してます」
「急にどうしたんですか」
「離婚はしません」
「まだ言ってるんですか!」
一億円の話は、何処へ行ったのよ。
「もう子どもは作れませんけど」
「そうですね」
「でも、愛はまだまだ重くなるかもしれません」
「それ以上重くなるんですか?」
「なると思います」
「困ります!」
「でも離婚はしません」
「だから私も、離婚するなんて一言も言ってません!」
何年経っても、子どもが六人になっても、この人の中では、私が少し意味深なLINEを送っただけで離婚危機になるらしい。
「陸斗さん」
「はい」
「そろそろ胡凛帰ってきますよ」
「それが?」
「それが、じゃないです。離してください」
「もう少し」
「またそれですか」
あと少ししたら、家の中はまた一気に騒がしくなる。
胡凛が帰ってきて、そのあと美蘭、翠、然と岳も帰ってくる。
静かな時間なんて、もう終わりだ。
それでも陸斗さんは離す気がないらしい。
昔から本当に変わらない。
いや。
むしろ年々ひどくなっている。
私は呆れながらも、結局その腕を振りほどかなかった。
この人。
十年以上経っても、根本的なところは何も変わっていない。
「陸斗さん。私、普通に『話したいことがある』って送っただけですよね?」
「奏が『早く帰ってきて』なんて言うからです」
「たまには言いますよ!」
「ほとんど言いません」
「…………」
それは、まあ。
そうかもしれない。
「とにかく座ってください」
「本当に離婚じゃない?」
「違います!」
ようやく少しだけ落ち着いたらしい陸斗さんが椅子へ座ったところで、私はテーブルの上に置いていた券を、その前へ滑らせた。
「これです」
「……何ですか?」
「見てください」
陸斗さんは券を見る。
私を見る。
もう一度、券を見る。
「…………一等?」
「はい」
「一億?」
「はい」
私は小さく頷いた。
「また当たりました」
しばらく、完全に止まった。
その姿を見ながら、私はふと思う。
この人。
三つ子の時も止まったな。
でも今回は倒れなかった。
さすがに十年以上一緒に暮らして、少しは耐性がついたらしい。
――と思った次の瞬間。
陸斗さんが突然立ち上がった。
「えっ?」
強く抱きしめられ、そのままキス。
「ちょっ……陸斗さん!」
ようやく唇が離れたと思ったら、今度は両腕でしっかり囲われたまま、ものすごく真剣な顔で見つめられた。
「奏」
「何ですか」
「大好きです」
「……はい?」
「愛してます」
「急にどうしたんですか」
「離婚はしません」
「まだ言ってるんですか!」
一億円の話は、何処へ行ったのよ。
「もう子どもは作れませんけど」
「そうですね」
「でも、愛はまだまだ重くなるかもしれません」
「それ以上重くなるんですか?」
「なると思います」
「困ります!」
「でも離婚はしません」
「だから私も、離婚するなんて一言も言ってません!」
何年経っても、子どもが六人になっても、この人の中では、私が少し意味深なLINEを送っただけで離婚危機になるらしい。
「陸斗さん」
「はい」
「そろそろ胡凛帰ってきますよ」
「それが?」
「それが、じゃないです。離してください」
「もう少し」
「またそれですか」
あと少ししたら、家の中はまた一気に騒がしくなる。
胡凛が帰ってきて、そのあと美蘭、翠、然と岳も帰ってくる。
静かな時間なんて、もう終わりだ。
それでも陸斗さんは離す気がないらしい。
昔から本当に変わらない。
いや。
むしろ年々ひどくなっている。
私は呆れながらも、結局その腕を振りほどかなかった。