薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
「でも、未來が坂上さんを紹介したんだから、知り合いでは――」

「紹介できる程度の接点があったことは考えられます」

陸斗さんが続ける。

「ただ、その関係がいつから、どの程度のものだったのか。それは別です」

「……」

「それと、ご両親の会社です」

征さんが別の資料へ目を落とす。

心臓が少し強く鳴った。

「両親の?」

「神宮寺基さん、美加さん。それぞれが経営されていた法人について、過去の記録を追っています」

「会社は……借金があったから処分したって」

「その“処分”が、何を意味していたのかを確認しています」

茂樹先生が穏やかに言った。

「会社を閉じることも処分と言えるし、事業を他へ譲ることもある。株式や資産を移す場合だってある」

「……じゃあ、会社、なくなってないんですか?」

喉が少し渇いた。

「まだ、そうとは言えません」

征さんは、はっきり答えた。

「ただ、単純に“多額の借金があったので全て清算され、それで終わった”と考えるには、確認しなければならないものが残っています」

私は何も言えなかった。

だって、ずっとそうだと思っていた。

父と母が死んで、借金が残って、会社も家も全部なくなった。

私は何も知らなかったから、坂上さんに任せるしかなかった。

それだけの話だと思っていた。

「神宮寺さん」

陸斗さんの声に顔を上げる。

「今の段階で、何かを決めつけないでください」

「……はい」

「あなたが騙されたとも、坂上幹司が不正をしたとも、まだ断定していません。坂梨未來さんについても同じです」

「分かってます」

「なら結構です」

相変わらず、言い方は可愛くない。

でも、この人がそこを崩さないのは、たぶん大事なのだと思う。

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