薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
室内へ入った瞬間、思わず小さく声が漏れた。

「……わ」

思っていたより、ずっと広い。

白と木目を基調にした落ち着いた内装で、大きな窓のあるリビングにダイニング。

さらにキッチンへ目を向けて、また驚く。

「……システムキッチン?」

しかも、かなりしっかりしている。

収納も多く、作業スペースも十分。

冷蔵庫、電子レンジ、炊飯器、洗濯機。ソファにダイニングテーブル、寝室にはベッドまであり、生活に必要な家具や家電がほとんど揃っていた。

「これ、本当に普通の賃貸マンションですか?」

「賃貸です」

陸斗さん。

「私が今まで見てきた賃貸と、だいぶ違うんですけど」

「比較対象を知りませんので」

……腹立つ。

「ずっと空室だった部屋には見えないですね」

私が言うと、鈴子さんが「ああ」と頷いた。

「ここね、もともとは陸斗の弟が使ってたの」

「……弟さん?」

初耳だった。

反射的に陸斗さんを見る。

「弟いるんですか?」

「います」

「初めて聞きました」

「聞かれていませんから」

「……」

あ。

それ、さっき私が言ったやつ。

鈴子さんが、ぶっと吹き出した。

「陸斗、根に持ってる?」

「持っていません」

絶対、少しくらい持ってる。

「弟さんは今は?」

「別のところで暮らしています」

「じゃあ、ここには戻らない?」

「現在は使っていませんし、戻る予定もありません」

「だから家具もそのままなんですね」

「本人の私物は必要なものを移しています。残っているのは、この部屋で使っていた家具や家電が中心です」

なるほど。

だから、着替えと生活用品さえあれば、すぐにでも暮らせる。

私は改めてリビングを見回した。

「……普通に、いい部屋」

思わず本音が漏れる。

「でしょう?」

鈴子さんが、なぜか得意げに胸を張った。

「母さんの部屋ではありません」

「分かってるわよ!」

何で毎回そこに訂正が入るんだろう。

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