薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
「家賃って、いくらですか?」

何気なく聞いたつもりだった。

すると、三人が一瞬黙った。

「……何です?」

鈴子さんが首を傾げる。

「家賃?」

「払いますよ」

「でも、一時的な避難なら別に――」

「払います」

もう一度、はっきり言った。

「十二億円があるとかないとかじゃなくて、住むなら払います。何も払わずに借りるのは嫌です」

「あら、でも――」

「当然です」

答えたのは陸斗さんだった。

私は彼を見る。

「正式に使用するなら、条件を決めます。家賃も含め、必要な契約を整えます」

「陸斗」

鈴子さんが不満そうな声を出す。

「何です?」

「こういう時くらい、いいじゃない」

「よくありません。本人が払うと言っています」

「でもねぇ」

「無償で使わせれば、神宮寺さんの方が気を遣うでしょう」

鈴子さんが口を閉じた。

私も、少しだけ驚いた。

……そこまで分かるんだ。

「ただし、安全確保を目的とした一時利用なら、通常の賃貸と同じ条件にはしません。そこは整理します」

「はい」

「内容を見てから決めてください」

「分かりました」

堅い。

本当に堅い人。

でも、こういう堅さは嫌いじゃない。

勝手に「善意だから」で話を進められるより、ずっと安心する。
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