薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
エレベーターを降り、廊下を歩いて、自分の部屋の前で立ち止まった。
鍵穴を見る。
目立った傷はない。
ドアにも、無理にこじ開けたような跡は見当たらなかった。
「……開けます」
「はい。お願いします」
鍵を差し込み、回す。
カチリ、と聞き慣れた音がした。
ゆっくりドアを開けた、その瞬間。
「……あれ?」
手が止まった。
まだ靴も脱いでいない。
部屋の中へ一歩も入っていない。
なのに――何かが違う。
「……なんか、変」
何が、と聞かれても説明できなかった。
玄関から見える範囲では何も荒らされていないし、家具が動いているわけでもない。
ただ、自分の家なのに、いつもの空気じゃない。
愛梨さんも、開いたドアの向こうを黙って見ていた。
少しして、その表情が変わる。
「……なんか、変ですね」
目が合った。
私だけじゃない。
それが分かった途端、胸の奥にあったざわつきが一気に大きくなった。
「入らない方がいいですよね」
「はい。ここで待ちましょう。大雅さんに連絡します」
私たちは部屋へは入らず、そのまま玄関の外へ下がった。
愛梨さんがスマートフォンを取り出す。
「大雅さん。ちょっと来てもらえますか。神宮寺さんがドアを開けたところで違和感を感じています。私も、なんか変だと思います。中には入っていません」
通話を切ってから、ほとんど待たなかった。
エレベーターの扉が開き、大雅さんと陸斗さんがこちらへ歩いてくる。
「何があった?」
「ドアを開けたところで、神宮寺さんが『なんか変』って。私も上手く説明できないんですけど、違和感があります」
大雅さんは開いた玄関から中を確認し、鍵の周囲とドア、それから見える範囲へ視線を走らせた。
しばらくして、私を見る。
「神宮寺さん」
「はい」
「見られたら困るところを見てくれ」
「見られたら困るところ……ですか?」
「普段、自分しか触らない場所。誰かが触れば分かるところでいい」
私は部屋の奥へ目を向けた。
つい昨日まで何も考えずに帰ってきていた自分の家だったはずなのに、急に知らない場所のように見える。
「愛梨さん、一緒に来てもらっていいですか?」
「はい」
鍵穴を見る。
目立った傷はない。
ドアにも、無理にこじ開けたような跡は見当たらなかった。
「……開けます」
「はい。お願いします」
鍵を差し込み、回す。
カチリ、と聞き慣れた音がした。
ゆっくりドアを開けた、その瞬間。
「……あれ?」
手が止まった。
まだ靴も脱いでいない。
部屋の中へ一歩も入っていない。
なのに――何かが違う。
「……なんか、変」
何が、と聞かれても説明できなかった。
玄関から見える範囲では何も荒らされていないし、家具が動いているわけでもない。
ただ、自分の家なのに、いつもの空気じゃない。
愛梨さんも、開いたドアの向こうを黙って見ていた。
少しして、その表情が変わる。
「……なんか、変ですね」
目が合った。
私だけじゃない。
それが分かった途端、胸の奥にあったざわつきが一気に大きくなった。
「入らない方がいいですよね」
「はい。ここで待ちましょう。大雅さんに連絡します」
私たちは部屋へは入らず、そのまま玄関の外へ下がった。
愛梨さんがスマートフォンを取り出す。
「大雅さん。ちょっと来てもらえますか。神宮寺さんがドアを開けたところで違和感を感じています。私も、なんか変だと思います。中には入っていません」
通話を切ってから、ほとんど待たなかった。
エレベーターの扉が開き、大雅さんと陸斗さんがこちらへ歩いてくる。
「何があった?」
「ドアを開けたところで、神宮寺さんが『なんか変』って。私も上手く説明できないんですけど、違和感があります」
大雅さんは開いた玄関から中を確認し、鍵の周囲とドア、それから見える範囲へ視線を走らせた。
しばらくして、私を見る。
「神宮寺さん」
「はい」
「見られたら困るところを見てくれ」
「見られたら困るところ……ですか?」
「普段、自分しか触らない場所。誰かが触れば分かるところでいい」
私は部屋の奥へ目を向けた。
つい昨日まで何も考えずに帰ってきていた自分の家だったはずなのに、急に知らない場所のように見える。
「愛梨さん、一緒に来てもらっていいですか?」
「はい」