薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
そこで初めて、私たちは靴を脱いで中へ入った。

リビングを見回す。

カーテンも、テーブルも、ソファも、読みかけの本も、見た限りではいつものままだった。

キッチンも同じ。

食器棚も閉まっていて、荒らされたような形跡はどこにもない。

だからこそ、玄関で感じた違和感が気のせいだったのではないかと思い始める。

そうだったらいい。

むしろ、そうであってほしい。

寝室へ入り、ベッド、クローゼット、チェストへ順番に目を向けた。

ここも、一見したところ何も変わっていなかった。

私はチェストの前へしゃがみ、三段目の引き出しへ手を掛ける。

下着を入れている場所。

引き出しを開けた瞬間、手が止まった。

「……あれ?」

「どうしました?」

愛梨さんが横から覗き込む。

「……これ、動いてるかもしれない」

一番手前にある下着を指差した。

「私、こう置かないんです」

「向きですか?」

「はい」

本当に、ほんの少しだった。

他人が見れば、何を気にしているのかと思うくらいの違い。

私は別に几帳面な性格ではないし、何でもきれいに揃えておくタイプでもない。それでも、毎日使う場所には意識しなくても自分なりの置き方ができている。

一枚だけ向きが違う。

その下に敷いていた布も、いつもの位置から少しずれていた。

なくなっているものはない。

下着も全部あるし、奥に置いている物も見える。

でも。

「私、ここを開けたら分かります。こんな置き方しないので」

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