薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
愛梨さんは中には触れず、私の横から確認した。
「神宮寺さんがそう感じるなら、そのままにしておきましょう」
「はい」
三段目の奥には、普段ほとんど出すことのない物をまとめていた。
へその緒の箱。
母子手帳。
幼い頃のプラチナのベビーリング。
両親の結婚指輪。
そして、両親が事故に遭った時、最後に身につけていた腕時計。
全部、ある。
なくなってはいない。
それなのに、下に敷いていた布の位置だけが違っている。
何も盗らずに、何をしたかったんだろう。
洗面所も確認した。
棚を開けた瞬間、また手が止まる。
「あ……」
「どうしました?」
「これも、違います」
化粧ポーチ。
ファスナーの位置が、いつもとは反対側にある。
私は普段、左から開ける。
だから閉じる時も、自然とそこへ戻しているらしい。
そんな癖があることさえ今日まで意識したことはなかったのに、自分の物だから分かってしまう。
一つだけなら、気のせいだと思えたかもしれない。
でも、二つ、三つと重なると、もうそう思えなくなってくる。
「愛梨さん」
「はい」
「……誰か、触った気がします」
愛梨さんの表情から、完全に笑みが消えた。
「神宮寺さんがそう感じるなら、そのままにしておきましょう」
「はい」
三段目の奥には、普段ほとんど出すことのない物をまとめていた。
へその緒の箱。
母子手帳。
幼い頃のプラチナのベビーリング。
両親の結婚指輪。
そして、両親が事故に遭った時、最後に身につけていた腕時計。
全部、ある。
なくなってはいない。
それなのに、下に敷いていた布の位置だけが違っている。
何も盗らずに、何をしたかったんだろう。
洗面所も確認した。
棚を開けた瞬間、また手が止まる。
「あ……」
「どうしました?」
「これも、違います」
化粧ポーチ。
ファスナーの位置が、いつもとは反対側にある。
私は普段、左から開ける。
だから閉じる時も、自然とそこへ戻しているらしい。
そんな癖があることさえ今日まで意識したことはなかったのに、自分の物だから分かってしまう。
一つだけなら、気のせいだと思えたかもしれない。
でも、二つ、三つと重なると、もうそう思えなくなってくる。
「愛梨さん」
「はい」
「……誰か、触った気がします」
愛梨さんの表情から、完全に笑みが消えた。