薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
大雅さんのSUVへ乗り込み、全員が席についたところで、大雅さんが私を見た。

「携帯の位置情報、全部切れ」

「全部?」

私は今使っているスマートフォンを取り出した。

「端末だけじゃない。アプリの権限、共有、写真の位置情報も」

言われるまま、一つずつ確認していく。

位置情報なんて、地図を使う時くらいしか気にしたことがなかった。でも実際には、思っていた以上に色々なアプリが位置情報へアクセスできる状態になっている。

「こんなにあるんですね……」

「便利な分、拾われる情報も多い」

必要なもの以外を切り、共有設定も見直していく。

「今使ってる携帯は消すな」

「このまま残すんですか?」

「ああ。相手から何が来るか分からない。連絡も履歴も記録になる。勝手に返信するな。消すな」

そこで、さっき廊下から聞こえた陸斗さんの言葉を思い出した。

「じゃあ、さっき陸斗さんが頼んでた別の端末って……」

「普段使いを分けるためです」

陸斗さんが答えた。

「今の番号をそのまま使い続ければ、誰から何が来るか分からない。新しい番号は、必要な人だけに共有します」

「……携帯まで変わるんですね」

昨日まで普通に使っていた物なのに。

住む場所だけじゃなく、連絡先まで変わる。

本当に、自分の日常が少しずつ別の形へ変わっていくみたいだった。

「……なんか、ものすごく大ごとになってません?」

思わず言うと、陸斗さんがこちらを見る。

「今さらですか」

「その言い方、本当に腹立ちますね」

「それだけ言えるなら結構です」

やっぱり腹が立つ。

でも、少しだけ。

本当に少しだけ、怖さが薄れた。

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