薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――

第七話 ――新しい部屋、新しい番号、そして隣には――

あのあと、未來から届いた二通のLINEには返事をしなかった。

『奏、今どこにいるの?』

『今日、家にいないよね?』

なぜそんなことを知っているのか。考えれば考えるほど嫌な想像ばかりが浮かんだけれど、大雅さんから「今夜は触るな」と止められ、旧スマートフォンは既読もつけず、そのまま残すことになった。

返信するかどうかは明日、落ち着いてから決める。

それが、一時間だけと決めて行った話し合いの最後に決まったことだった。

そのあと私は、改めて八階の部屋へ案内された。

昼間にも一度見ているのに、“今夜からここで寝る”と思った途端、同じ部屋がまるで違って見える。

昼間は、広いなとか、家具も家電も揃っているんだとか、隣が本当に陸斗さんの部屋なんだと知って、

――近っ。

なんて思っていただけだった。

でも今は、自分の部屋から必要な物だけを持ち出し、次にいつ戻れるかも分からないままここへ来ている。

一時避難。

引っ越したわけではないし、元の部屋の鍵だってまだ持っている。それでも、スーツケースとボストンバッグを足元へ置いて玄関に立つと、“避難”という言葉だけが急に現実味を持った。

「神宮寺さん」

隣に立っていた陸斗さんから、八階用のカードキーを渡される。

「昼間にも説明しましたが、八階から上へ行く場合はエレベーター内で認証、そのあとセキュリティ扉でもう一度認証してください」

「二回ですよね」

「はい」

外から見れば普通の都市型ビルなのに、八階から上は別世界みたいに厳重だ。

昼間は“すごいな”くらいにしか思わなかったけれど、今はその面倒なくらいのセキュリティがありがたく感じる。

「カードをなくした場合は、すぐ連絡してください」

「……怒ります?」

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