薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
何となく聞くと、陸斗さんが一瞬黙った。

「まず利用停止の手続きをします」

「そのあとです」

「怒りません」

「本当に?」

「……たぶん」

思わず顔を上げた。

「たぶん!?」

「なくさなければ問題ありません」

「そういう話じゃないですよね?」

「結果的には同じです」

違う。

絶対違う。

この人はものすごく真面目な顔をしたまま、ときどき妙なことを言う。しかも本人には、たぶん笑わせている自覚がない。

そのあと、部屋の鍵やインターホン、来客時の対応、緊急時の連絡方法まで一通り説明を受けた。

知らない来客には直接応対しない。

配達も当面は控え、何か届く予定があれば事前に知らせる。

一階で確認が入り、居住者が許可しなければ、この区画までは上がれない。

昼間にも聞いた説明なのに、今はどれも違う意味を持って聞こえた。

「それと、隣にいますので、何かあれば連絡してください」

反射的に壁を見る。

「夜中でも?」

「必要なら」

「寝てても?」

「起きます」

「本当に?」

「神宮寺さん。緊急時の話をしています」

「分かってますよ」

ただ、何かあっても一人でどうにかしなくていいということを、まだどう受け取ればいいのか分からないだけだ。

「では、今日は休んでください。旧端末にも未來さんのLINEにも触らないように」

「分かりました」

陸斗さんは一度頷き、自分の部屋へ戻っていった。

すぐ隣の玄関が開いて、閉まる。

「……ほんとに隣なんだ」

一人になった玄関で、思わず呟いた。

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