薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
一人で食べる夕食なんて、珍しくない。

むしろ、いつものことだ。

でも今夜は、同じ“一人”でも少し違った。

知らない部屋だからなのか、今日一日の出来事が多すぎたからなのか、箸を動かしていると朝からのことが次々に頭へ浮かんでくる。

ロト7一等、約十二億円。

普通なら夢みたいなお金なのだと思う。

でも私は、欲しい物も、やりたいこともすぐには浮かばなかった。

生活費の心配をしなくていい。家賃が払えなくなる不安も、突然仕事を失う怖さもない。

そこまでは分かる。

でも、その先をどうしたらいいのか分からなかった。

だから私は、目に留まった法律事務所の扉を開けた。

それなのに、まだ半日も経たないうちに、両親の事故や会社、坂上幹司、未來、三人の元彼、そして自分の部屋まで、次々に知らなかったことや違和感が出てきた。

下着の引き出し。

ずれていた布。

その奥にあった、へその緒、母子手帳、ベビーリング、両親の結婚指輪と腕時計。

何一つ盗られていない。

だからこそ怖い。

何を探していたのか分からない。

さらに未來から届いた、

『今日、家にいないよね?』

というLINE。

「……どうして知ってるの」

ただの探りかもしれない。

私が深読みしているだけかもしれない。

そう思いたいのに、部屋で感じた違和感とLINEが、頭の中でどうしても繋がってしまう。

「……やめよう」

今日は考えない。

大雅さんにも、そう言われた。

明日、一つずつ整理すればいい。

残りの夕食を口へ運ぶ。

ちゃんと美味しい。

それは分かるのに、どんな味だったかとあとで聞かれたら、たぶん答えられないと思った。

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