薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
その頃。

壁一枚を隔てた隣の部屋では、陸斗がソファへ腰を下ろし、スマートフォンを開いていた。

今日の件に関わった家族と事務所の人間が入るグループLINEには、すでに何件もの通知が溜まっている。

鈴子。

『奏さん、ちゃんと部屋に入った?』

聖子。

『荷物は全部運べた?』

茂樹。

『カードキーの説明も終わった?』

大和。

『旧スマホはそのまま?』

征。

『新端末の設定は終わっています』

愛梨。

『寝具、タオル、日用品も準備済みです』

そして、鈴子。

『晩ごはんは?』

陸斗は小さく息を吐いた。

報告会というより、神宮寺奏の生活確認会になっている。

『部屋には入りました。カードキー、セキュリティ、来客対応、緊急連絡について説明済み。旧端末にも触れないよう伝えました』

送信。

すぐに鈴子から返ってくる。

『ご飯は?』

またそこか。

『今確認します』

そう返してから、奏へLINEを送った。

ほどなくして、

『今、食べ終わりました。聖子さんが用意してくれたもの、いただきました』

と返信が届く。

陸斗はそれを見て、自分でも気づかないほどわずかに肩の力を抜いた。

『食事済みです』

グループへ報告すると、

『よかったー!』

『ちゃんと食べたのね』

『ひとまず安心だね』

と次々に返ってくる。

大和だけが、

『そこが一番気になってたの?』

と送ってきた。

鈴子は即座に、

『当たり前でしょう!』

と返している。

そのやり取りを見ながら、陸斗は今日の奏を思い返した。

十二億円が当たっても浮かれることなく、何をしていいか分からないと言った。

そのうえ、今まで知らなかった過去が次々に出てきて、自宅まで安全とは言えない状況になった。

本人の中では、まだ何一つ整理できていないだろう。

そこへ大雅から、

『遺品の袋は?』

と届く。

『二重にして保管。未開封』

『そのままでいい。時計が探し物だったとは決めるな』

大和も、

『事故当時の物と今回の件は切り離して考えた方がいい』

と続けた。

征からは、写真の元データを保存済みだと報告が入る。

今分かっているのは、誰かが入った可能性があり、何かを探した可能性があるということだけ。

それ以上は、まだ何も決めつけられない。

その時、鈴子から別のメッセージが届いた。

『奏さん、怖がってない?』

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