薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
スマートフォンで確認するまでもなく覚えていた。

十二時から十八時。

大手通販会社の倉庫で、商品の梱包作業。

今まで続けてきたバイトの中ではかなり条件がよく、時給も悪くない。拘束時間もそこまで長くないし、仕事内容も慣れてしまえば難しくなかった。

そして何より、人との関わりがほとんどない。

決められた場所へ行き、割り当てられた商品を間違えないように梱包する。必要な会話は最低限で、余計なことを聞かれることも、自分のことを話す必要もほとんどない。

人付き合いが嫌いというより、その距離感が私にはちょうどよかった。

「十二時から十八時か……」

いつもなら朝起きて、適当に朝ごはんを食べ、少し家のことをして、時間になったら出る。

それだけの話だ。

でも今日は違う。

昨夜、大雅さんから“一人で外へ出るな”と言われたことを思い出し、そこでようやくもう一つ気づいた。

「……バイトのこと、言ってない」

昨日、仕事については話した。

ここで働くかどうかや、今後何をするのかも話題に上がったけれど、今入っているシフトまで細かく伝えてはいない。

十二億円があるのだから、もうバイトなんてしなくていい。

そう言われれば、確かにそうなのかもしれない。

でも、だからといって今日から突然何もしない生活も想像できなかった。

昨日まで普通に働いていたのに、お金が入ったからという理由だけで急に辞める。それも何となく違う気がする。

そもそも私は、これから何をしたいのかすらまだ分かっていない。

仕事を辞めるのか、続けるのか。

どこに住むのか。

十二億円をどうするのか。

何一つ決まっていない。

「……考えること、多すぎ」

大きく息を吐き、とりあえずベッドから降りた。

仕事のことはあとで相談するとして、その前に朝ごはんだ。

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