薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
暢さんがようやく私を見て、小さく笑った。

「あ。神宮寺さん、固まってるよ」

「固まりますよ」

暢さんは悪びれる様子もなく周囲を見た。

「誰か、説明してあげて」

「暢さんが説明してください」

陸斗さんが即座に返した。

「僕?」

「あなたが指示してるんでしょう」

「それもそうか」

そこは納得するんだ。

暢さんは私へ向き直った。

「簡単に言うとね、新しい携帯には二つ対策を入れたい。一つは、何かあった時に神宮寺さんがどこにいるか、必要な人だけ確認できるもの。もう一つは、外から携帯に不自然なアクセスがあったり、情報を抜こうとされたりした時に防ぐためのもの。異常があれば、こっちにも分かるようにする」

「……それなら分かります」

「でしょう?」

「最初からそう言ってもらえます?」

征さんが小さく笑った。

「すみません。こっちでは普通に通じるので」

「私は全然通じてません」

「ですよね」

まだ完全には納得できないまま、私はコーヒーへ手を伸ばした。

すると暢さんが、今度は私の手元にある旧スマートフォンを見る。

「それと、今まで使ってた携帯、持ってる?」

「はい」

「ちょっと僕に貸してもらってもいい?」

反射的にスマートフォンへ手を置くと、暢さんはすぐに理由を説明した。

「端末の設定や入ってるアプリ、権限、位置情報、共有設定。その辺を一通り確認したいんだ。本人が気づかない設定が残ってることもあるし、意図しない形で外へ情報が出てないかも見ておきたい。不自然なものがあれば、その時は神宮寺さんにも確認するから」

理由まで聞けば、やろうとしていることは分かる。

少し迷ってから、スマートフォンを差し出した。

「……お願いします」

「はい。預かります。ロック解除が必要になったら声掛けるね」

「はい」

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