薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
そこまで聞いて、とうとう我慢できなくなった。

「ちょっと待ってください」

「はい?」

「暢さんって、カフェの人ですよね?」

「うん」

あまりにも普通に頷かれた。

「なのに、何で携帯のシステムとかセキュリティの話をして、陸斗さんや征さんに指示してるんですか?」

聞いているうちに、自分でも混乱してくる。

「何……何なんですか?」

一瞬、静かになった。

茂樹先生が困ったように笑う。

「そういえば、そこをきちんと説明していませんでしたね」

「してないです」

「暢さんは、情報システム全般からデジタル解析、セキュリティまで、その方面を専門にしている人なんです」

「……カフェじゃなくて?」

「カフェもやっていますよ」

ますます分からない。

「もともとは海外で、その分野の仕事を長くしていたんです。日本へ戻ってからも専門は変わっていなくて、現在も情報システムやサイバー関係の仕事に関わっています」

「……警察関係の?」

思わず暢さんを見る。

今朝、普通にコーヒーを淹れていた。

鈴子さんが料理を作ると言っただけで、全力で止めていた。

その人が?

「詳しいところは本人から聞いてください」

茂樹先生がさらっと言った。

「そこ、本人に丸投げなんですね」

「暢さんの経歴ですから」

「まあ、それはそうだけど」

暢さんは苦笑して、私を見る。

「簡単に言うと、僕は情報システム、ネットワーク、端末、セキュリティ、それからデジタルデータの解析まで、情報を扱う分野をずっと仕事にしてきたんです」

「全部?」

「専門が一つだけじゃないんだよ。作る側も、守る側も、何か起きた時に調べる側もやってきたから」

「それで、携帯も?」

「それも仕事の範囲」

ようやく少しだけ繋がった。

でも、納得したらしたで別の疑問が出てくる。

私は周囲を見回した。

弁護士に、元裁判官。

司法書士。

検察官。

警視庁に勤める人。

そして今度は、情報システムと解析の専門家。

「……この家族、何なんですか」

ぽろっと口から出た。

一瞬の沈黙のあと、征さんが吹き出し、茂樹先生まで笑っている。

「それは私にも時々分かりません」

「茂樹先生まで言うんですか?」

「まあ、色々いますからね」

色々。

その一言で片づけていい人数ではない気がする。

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